平林寺は、季節はずれの静けさ

平林寺にたどり着いた。この臨済宗の古刹は、秋の紅葉がつとに有名。あと春の桜もきれいみたい。
秋は大勢の観光客でにぎわうお寺も、今は冬。ほんとうに寂しいくらい拝観者が少ない。
広い境内で見かけた人は、10人ほどか。こういう時期も、けっこう雰囲気あっていいけどね。


●平林寺の総門、拝観料がいるみたい

総門をくぐると、受付があり、拝観料が必要なことを知った。大人500円とのこと。自転車は、総門の外に。
総門をまっすぐ進むと、二階建ての山門がある。両側に仁王様。正式には金剛力士像。


●山門、両側には阿吽の金剛力士像が威風堂々の姿

金剛力士像は、片方が口を開き、もう一方は閉じてる。阿形と吽形。いわゆる“阿吽”ってこと。
“阿”と“吽”は、サンスクリット語の、初めと終わりを意味するって聞いたことがある。


●右側に立つ密迹金剛、口を開いてる


●阿吽の“阿”は、すべてのものが生まれる根源だそう

かなり古そうな金剛力士像。いつの時代に彫られたものなのか。松平信綱が平林寺をこの地に移した17世紀?
それとも、現在の岩槻市辺りで開創された14世紀に作られたものか。よく分からない。


●左側に立つ那羅延金剛、口を閉じてる


●阿吽の“吽”は、すべてのものが役割を終え帰るところらしい

総門、山門、仏殿の、さらに先に本堂があった。平日の昼なので、人の姿はまったく見えない。
こんな名高いお寺を、まったく一人で参拝するっていうのも、なかなかいいもの。


●まっすぐ進んだ先に本堂があった、だ〜れもいない


●この地に平林寺を移した、松平信綱一族の墓が並んでいた

本堂のさらに奥、松平家のお墓に向かう途中に、野火止用水の堀が見えた。浅く細い堀。
水の流れはない。普段いつも枯れているみたい。雨のときだけ流れるのだろうか?


●境内の野火止用水、水は流れていなかった

現在の野火止用水は、東京都と埼玉県、流域の自治体の復原活動でよみがえったもの。
もともとの姿とはかなり異なっているんだろう。
流れている水も、玉川上水の分水ではなく、下水を高度処理した水らしい。復原のためのアイデア
住宅地の中を流れているのに、水が澄んでいるのは、不思議なほどだと感じた。